外房で威力を発揮しているスイムライダー120グラムだが、八丈島の場合パヤオのジギングでは良いが、一般的なジギングでは苦戦を強いられる。それは、特に水温の高い夏季などのディープジギングで、2枚潮では600グラムでもボトムコンタクトが難しいフィールドなのだから致し方ない。
低水温時の浅場でのジギングでは、その動きの良さから勝負にはなるが、それでも若干の重さが欲しいところだろうか?、個人的には200グラムぐらいと考えていた。
そこで今回の180グラムだが、それは昨秋からテストを繰り返し、220グラム、280g、など3種のテストジグの中で、最も安定した動きの180グラムが今回リリースになったようだ。
やはりスイムライダーの場合は、その非対称の形状から重いジグほどスライド幅に水流の抵抗を受ける。まして、水深20メートルぐらいなら動きを見ることが出来て、40メートルぐらいまでの動きは想像できたとしても、重いジグの泳ぎを視覚的に確認の出来ないディープゾーンでは、その動きはアングラーの経験から来る感でしかない。
スライドする動きは、そのロッドを通して伝わるが、使うロッドの弾性でも変わるのだから、100メートルを超えるジギングでメタルジグが200グラム以上を使うなら、ロッドを動かすキレなどが重要になる。その為には、操作性が重要であって、ティールバランスのファンキーロボットのようなジグが扱いやすく、前回の記事にあるクリスマス島ではその結果が顕著に現れた。
その意味では、今回の180gのテストでの水深30~80メートルは、最も近海では一般的な水深であり、それは八丈島の潮の速さであっても、ターゲットを3~10キロに絞ったものであるから、日本中の何処のフィールドでも通用すると考えて良いだろう。
1日目は茨城の村井さんたちと一緒にパヤオに行き、その後は八重根港から小島周辺の40~100メートルに絞ったジギングだ。結果的にパヤオは、ジギングの対象になる魚の気配がなく、キャステングでシイラを釣った程度である。その後に小島に移ったが、やはり潮が動かず、唯一3キロクラスのカンパチをこの180グラムのブルーピンクで釣っただけである。
翌日は、潤航丸を私一人でチャーターする形だ。そして、船長に頼み込み意識して浅いところを攻める。本来、夏場であるからディープジギングだが、今年は冷水塊に覆われ意外とこの時期でも浅い。しかし、ほとんどの船頭は夏の意識が抜けないから、浅場といっても60メートル台を多く攻めるのだが、今回はあえて20~30メートルの超浅場の潮が早いところを狙ったところが、驚いたことにカンパチが入れ食いになる。しかし、ほとんどは小型のリリースサイズで5キロクラス1尾とハガツオを1尾だけキープした。
夏で、しかもこの水深での入食いは、16年以上も八丈島のジギングをやっているが始めてのことだ。それだけ経験をしてるつもりでも、自然を読むことは難いと云うことだ。だからこそ、この八丈島のジギングをヒト括りで結論付けてしまうと、それは手ひどいしっぺ返しを食う。そして、そんな変幻自在な自然だからこそ楽しいのだ。
この浅場での釣果だが、それは一人だけでのジギングでは競う相手がないので、メタルジグの動きを比較することが出来ない。そこで更に翌日は、青森から来た小川さん達と一緒に乗船することにした。
彼らは、青森でホタテ漁をやっている漁師だが、空いている時はマグロやワラサなどの遊漁もやる。しかし、何よりもジギング好きで、自分がやりたい為に八丈島に来て1日10時間以上ものジギングを数日間も続ける猛者だ。
何しろ、私と同じスタイルでディープゾーンを根気よく攻め、
「1年に1本の大型が取れれば良い。ブレークされるくらいなら、食ってくれない方が良い!」
とPE6号にリーダーは200ポンドで遣り通す。そして、来島するアングラーの中では、20キロオーバーを釣っている数少ない一人なのだ(八丈島では、10キロクラスは結構つれるが、20キロオーバーを釣っているアングラーは案外に少ないのだ)。
そして、今回も水深が20~60メートルのゾーンでも300グラムよりも軽いジグは使っていない。そんな彼らだからあまりラインを落としすぎるのも悪いし、実際に大物も入っているので、私は180グラムの重さも考え、精々PE5号に170ポンドと若干だけラインを落としてのスピニングタックルで挑む事にした。
結果的には、私がハガツオの6キロサイズが2尾にカンパチの3キロを追加、その後はディープに移動したが、思わしくなく、釣果は全員でこの3尾だけに終わった。しかし、この20~60メートルの水深では圧倒的にこのスイムライダー180グラムに偏った。
勿論、ジグの重さやスピニングタックルとベイトタックルの差もあり、これだけで比較することは出来ない。それでも、やはりこのゾーンではメタルジグの差が出たといって良いだろう(ただ、彼らの名誉のために付け加えると、8キロと云うこの週間では最もベストサイズのカンパチを、この翌日に釣り上げているから、それは立派である)。
この3日間のテストを振り返ると、外房あたりのヒラマサでは120グラムが好評のスイムライダーだが、やはり潮の飛んだ八丈島では180グラムがこの水深でベストマッチと言える。そして、ほとんど全カラーの、ピンク、ブルーピンク、ブルー、シルバーなど、どのカラーでも幅広くヒットした。
そして、恐らく日本の近海であれば、この180グラムと120グラムの両方をタックルボックスに加えれば、ほとんどカバーできる確信を持ったのである。
パパ大津留