フィールド・レポート

韓国チェジュ島でのスイムライダー

今回、韓国のチェジュ島でのジギングは友人のドクターウォンと、ソウル市内にプロショップを構えるシンさんと一緒である。しかし、12月の23日に成田で一泊し、翌日のクリスマスイブにチェジュ島入りだ。
帰りは27日だが、実際には東京に1泊して28日にかえるのだから、この年末の大忙し時期に(私は八丈島でペンションなるものをやっている)5日間も留守にするのは、釣り人の我侭といっても度が過ぎるだろう。
「帰っても、私がいる保証はないから~~!」
と冷たい罵声を背中に浴びてチェジュ島に向かう事になる。

しかし、悪いことはするものではない。当然に西高東低の冬型の気圧配置で、韓国最大のリゾートといっても日本海に面した島であるから冬の海は荒れる。
「パパさん、チャジュ島は暖かいヨ~、ホントウダヨ、椰子ノ木が沢山の南国ネ~」
こんな話だったが、空港を降りると雪こそないが冷たい雨はシトシト、島の中央にある高い山は津軽海峡冬景色だ。尤も、迎えに出たドクターウォンは極寒の韓国北部から来たので、
「イヤ~、アタタカイネ~、ソウルの気温はマイナスヨ~、ココハテンゴク~」その格好はダウンジャケットこそ着ているが、半ズボン姿である。日本から降り立つ人はマフラーで顔を覆い、コートの襟を立てるほどの寒さであるから、何か浮世離れした男だ。

そして、肝心の釣りだが案の定である。連日、海は大荒れで毎日湾内のアジ釣りに精を出し、後はクリスマスソングが煩いほど鳴り渡るコリアンレストランで辛い料理に真露(韓国焼酎)飲むか、寝そべって本を読んでいるか、まったく体内脂肪の消費は、限りなくゼロ状態である。
ようやく最終日の27日に、何とか船が出る話だ。しかし帰りの飛行機は6時であるから遅くても2時には港に帰りたい。馬羅島と云う島の周りだが行程は1時間かかると云うことで実釣は5時間ないだろうか。
港は南部の小さな漁港からである。船も5トン未満のクラスであろうか、確かにシケ時の高い波では心もとないかもしれない。怪しい雲行きの中を一路ヒラマサが群れると云う馬羅島に、ドクターウォン、シンさん、それに若い韓国のバスプロのリーさんと一緒に向かうことになる。

「パパさん、韓国ヒラマサはロングロッドヨ~、パパのロッドは短いヨ、ロングロッドに小さいジグだと、よく動くからグッドです、パパにジグはビッグサイズだから魚クワナイ」
まあ郷に入らば、郷に従えという言葉もあるが、
「ドクター、食わなくても良いんだよ~(本音とは違うが)、僕はこのスイムライダーで釣るところに意義があるのだから、このショートロッドでやります。郷に入らば郷ヒロミ、BoomBoomBoomですよ~」
と云うわけで開始。しかし、早々にヒットしたのは私のスイムライダー180グラムである。それは、3~4キロの少々不満なサイズだが、とにかくドクターの呪縛を払拭した。

その後に、シンサンはロングジグで連発するが、全てフックアウト。ドクターもしぶといジャークで、そのお奨めと云うダイワのジグで5~6キロサイズをゲットする。さすがである。
ポイント移動で私に大型がヒットするがトルクのわりにパワーがない感じ、浮き上ったのが10キロサイズのブリである。ここはヒラマサとブリが混在しているらしい。
遠目はブリが浮いていて、ヒラマサはボトムに近いのでは?とイメージした私は、プロトではあるが300グラムのスイムライダーをショートロッドだが思いきり遠投する。20メートルぐらい先にキャストして沈めながらラインの糸フケをとる。
これは、ショートロッドの不利な点をカバーするだけではなく、ロングロッドで跳ね上げすぎるジグの動きを抑え、尚かつキビキビした命をメタルジグに吹き込む重要なテクニックだ。

そしてヒットしたのが10キロオーバー(推定で12キロ)の本日最大のヒラマサである。しかし、そのころから叩き付けるように雨が強くなり、飛行機の時間もあって終了する事にした。
港に戻ると、全身ビショ濡れだ。そのまま空港に直行だから車からバックを出しあめの中でそれを広げるのだから、中の洋服も濡れてしまう、震えるぐらいの寒さで、濡れた下着まで着替えるのだから「いやはや」である。たまたまピンクのパンツを着ていたので、白髪頭のロングヘアーは雫がダラダラ、おまけに片腕にはカジキのタトゥーであるから、どう見ても「試合に負けた弱い外人レスラー」である。

ドクターとシンさんは、それを見て腹を抱えて笑うが、寒さに震え空港に着いた時にはようやく、多少は気分が落ち着いた。チェックインしてから空港にある日本食のレストランで温かいうどんを食べる。何が何だか判らないうちに終わったようなチェジュのジギングだが、久々のうどんで体が温まるにつれ満足感も徐々にだが体内を埋めていく。
「パパさん、重たい大きなジグでも食いますね~」
180グラムが効果的なのは衆知だが、更にドクターウォンの言葉で、300グラムと云うヘビージグでも、釣れると云う大きな確信を得た。
韓国のリゾート地チェジュ島。それは寒かったが、スイムラーダーは国境を越えて威力を発揮した。

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