季節外れの台風が、2号、3号、と立て続けに発生し、天候が心配された
宇治群島の釣りだが、釣行日の直前に消滅し安堵することになる。そして、今回の釣行は天候に恵まれ良い結果がでそうな予感である。
5月25日の午前9時に鹿児島空港に降り立つと、初夏とはいえ風もなく、暑いほどの気候である。早速、今回の撮影クルーの窪田さん、林さんと合流して串木野港へと車を走らせる。約1時間の行程で港へ到着した。
それにしても飛行機での移動は速い。当日、明るくなってから自宅を出たにもかかわらず、10時には串木野港に立っている、南九州とはいえアクセスの良さにあらためて感心させらる。
しかし、これから向う宇治群島は無人島である。僅かに避難港はあるものの、携帯電話も通じない絶海の孤島である。それは、未知のフィールドであり、それだけに期待も大きく膨んで来る。
串木野港には今回お世話になる「さえ丸」の益谷船長が待っていてくれ、我々と綿密な打ち合わせを行った。そしてパパ大津留氏から 「大物だけに絞って狙いましょう。釣れなくてもそれは結果であって、数釣りを狙って釣れないのとは意味が違う。
我々も頑張りますから、よろしくお願いします。」とパパらしい言葉があり私も身が引き締まる思いがした。
宇治群島までは18ノット巡航で3時間、ちょうど100kmぐらいの距離である。
ポイントに到着して80mラインから開始した。私と丁君はファンキーロボットでパパはブギーウォークで東シナ海宇治群島の海へジグを投入した。
何度か流しかえた時、パパに大型がヒット! しかし、ジワリジワリとドラグが出る様子から「サメだなー100キロ超えてるよー。
これは上がらないサイズだなー」と言いながらポジションを替えたところでブレイクした。
そして、その後に再びパパにヒット、今度は本命のカンパチのようである。
流れるようなランディングで5キロサイズを上げた。たぶんパパは、このサイズではドラグをまったく出さずにランディングしたと思う。それは、ドラグ設定に関係なく、魚にプレッシャーをあたえず走らせない技術であろう、それを少しでも習得できればと考える、今回の課題にしたい。
この日は、陽も傾いてきたので早めに終了、避難港に上陸してキャンプの準備をすることにした。このテント生活も中々快適。湧き水の天然シャワーを浴びスッキリした気分での夕食である。
船長の用意した甑島の海産物、その海鮮バーベキューはあまりの美味しさ、更に初日の夜ということもあって話も弾み酒も弾み、嫌いではない私は思わず飲みすぎてしまった。
2日目、休みなくジグを投入するが本命のあたりはない。午前は丁君が巨大な赤ヤガラを私が小カンパチを釣り上げただけで終わる。
浅場にアンカーをうって昼食、助手のたかまさ君が素潜りで取ってくれたとこぶしもメニューに加わった。
船長も結果がでないことに焦りはじめたのか、「スーパーディープの250mラインを午後からやりましょう。
」と提案した。しかしパパから「魚の反応はあるし、ちょっとした潮のかげんで喰うから午前のポイントをもう一度丁寧に探ってみましょう。」との提案で、そうすることになった。
午後の流しが始まって1時間経過したころ私にズシンと重いあたり、すかさず合わせると5メートル程ラインを引き出した所で動かなくなり根に張り付いたようである。
自分ではボトムから20メートルぐらいで掛けたつもりだったので納得がいかなかったが、かけ上がりの場所なので一番近い根に走ったと思われる。
船を回して根から離そうとするが6号のラインと170lbリーダーの結び目付近でブレイクしてしまう。パパから「大型が取りたいのならリーダーは200lb以上にしたほうが良い」とアドバイスを受け200lbに付け替えることにした。
その直後90メートルの水深の場所で待望、本命アタリが私に来た。明らかに大型カンパチの引きだ。相手も猛烈な勢いで抵抗している。
しかし先程チェックしたラインと新しく結び直した200lbリーダーが気持ちに少し余裕を持たしてくれた。
パパが側に来てサポートしてくれたお陰で、一時は危ない所まで出されたラインが少しずつ巻けるようになってきた。 最初、胴の間の狭いところでファイトしていたが、軸側の広い場所に移動したらだいぶ楽になる。
自分ではよく憶えていないが15分程のやりとりで、やっとパパの差し出すタモに収まっていたのである。暫くして、ようやく全身に喜びが湧き上がり、皆から祝福の 握手攻めでようやく笑みがでたようだ。
3日目は前線が近くに張り出してきて、ウネリ、波ともに高くなる。3人とも最後まで休まずジャークを続けたが、残念ながら早めに切り上げて帰港することになり、宇治群島釣行を終了したのである。
今回は辛抱の釣りではあった。
しかし、諦めずにやり続けた結果であろうか?
船長、クルーの皆さん、参加メンバーみんなの協力もあり、幸運にも大型の1尾を手にすることが出来た。
そして、改めてファンキーロボットの実力を認識すると共に、コスミックブルー、P-コパー、など今までのメタルジグにない宝石のような不思議な色合いに、更なるジギングの進化を感じたのである。
中島 勝則